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派遣元責任者 講習

派遣元責任者講習はいつ受けるのか。人材派遣の会社設立での段取り

講習の段取りを知りたい方へ

人材派遣の会社設立を進めていて、派遣元責任者講習をいつ受ければよいのかを知りたい方に向けた記事です。

結論から言えば、許可申請の前です。厚生労働省の資料は「申請に先立ち、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講しておく必要があります」としています。

そして受講には期限の条件があります。許可の申請の受理の日前3年以内の受講に限られます。この記事では、その段取りを整理します。

講習は、許可の要件のひとつです

派遣元責任者講習の位置づけを表したイラスト
講習を受けていなければ、派遣元責任者になれません。

派遣元責任者講習は、労働者派遣事業の許可の要件に含まれています。

厚生労働省の許可基準は、派遣元責任者の要件として次のように書いています。厚生労働省告示(平成27年厚生労働省告示第392号)に定められた講習機関が実施する則第29条の2で規定する「派遣元責任者講習」を受講(許可の申請の受理の日前3年以内の受講に限る。)した者であること。

つまり、講習を受けていなければ派遣元責任者になれず、派遣元責任者を選任できなければ許可の要件を満たしません。

根拠
労働者派遣法施行規則第29条の2
講習機関
厚生労働省告示(平成27年厚生労働省告示第392号)に定められた機関
受講の期限(新規)
許可の申請の受理の日前3年以内の受講に限る
受講の期限(更新)
許可の有効期間が満了する日前3年以内の受講日のもの
証明書
派遣元責任者講習受講証明書(様式第21号)

三つ目と四つ目の違いに注意してください。新規の許可では「申請の受理の日前3年以内」、更新では「有効期間が満了する日前3年以内」です。基準となる日が違います。

人材派遣の会社設立を進めるとき、この講習は必ず通る工程になります。会社設立の設計の段階から日程を確かめておいてください。

講習を受けるだけでは足りません派遣元責任者になるには、講習の受講のほかに要件があります。成年に達した後3年以上の雇用管理の経験を有する者であること、欠格事由に該当しないこと、健康状態に支障がないことなどです。講習は要件のひとつにすぎません。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

受講の時期|申請の前です

受講の時期を表したイラスト
申請の前に受けます。申請してから受けるのではありません。

講習をいつ受けるか。厚生労働省の資料は、はっきりと書いています。

申請に先立ち、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講しておく必要があります。

— 厚生労働省|労働者派遣事業を適正に実施するために(申請・届出等の手続)

申請してから受ければよいものではありません。許可申請の添付書類として、派遣元責任者講習受講証明書の写しを提出するからです。

そして、受講の日から申請の受理の日までが3年以内である必要があります。何年も前に受けた講習では要件を満たしません。

派遣元責任者講習を受けるタイミングを示した流れ図

この図でいちばん上に「会社設立の設計の段階」を置いたのは、日程が埋まることがあるからです。

人材派遣の会社設立では、会社設立の登記から許可申請までに1〜2か月かかります。この期間に講習を受けられればよいのですが、日程が取れなければ申請そのものが後ろにずれます。

日程で1か月遅れれば、固定費が1か月分増えます人材派遣は、労働者派遣事業の許可が下りるまで営業ができません。講習の日程で1か月遅れれば、その分だけ無収入期間が延びます。事業所の家賃と役員報酬を合わせて月45万円なら、45万円の損失と同じです。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

講習機関と、開催の形

講習機関と開催の形を表したイラスト
厚生労働省告示に定められた機関が実施します。

派遣元責任者講習を実施できるのは、厚生労働省告示(平成27年厚生労働省告示第392号)に定められた講習機関です。

どの機関が該当するかは、厚生労働省のサイトで公開されています。会社設立の準備をするときは、そこから探すことになります。

講習の形については、会場で受けるものと、オンラインで受けられるものがあります。実施機関によって取り扱いが異なります。

  • 会場での講習:指定された会場に出向いて受講します
  • オンラインでの講習:機関によっては、オンラインでの受講に対応しています
  • 開催の頻度:機関と地域によって異なります
  • 受講料:機関によって異なります
  • 定員:定員が設けられていることがあります

人材派遣の会社設立をする地域によっては、近くで開催される講習が少ないこともあります。オンラインでの受講に対応している機関を探す、あるいは日程に合わせて移動するという選択になります。

いずれにしても、早めに調べて申し込んでおくことが大切です。会社設立の登記の準備と並行して進めてください。

講習の内容講習では、労働者派遣制度の概要、派遣元事業主が講ずべき措置、個人情報の適正な管理、労働基準法等の適用に関する特例といった内容が扱われます。内容と時間は実施機関のサイトで公開されています。
講習を申し込む前に確かめることのチェックリスト

会社設立の登記の準備と並行して、この申し込みを済ませておくのが理想です。登記が完了して許可申請の準備に入る段階で、講習も終わっているという形になります。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

受講証明書の扱い

受講証明書の扱いを表したイラスト
更新のたびに使うものです。保管してください。

講習を受けると、派遣元責任者講習受講証明書(様式第21号)が交付されます。

労働者派遣事業の許可申請では、この受講証明書の写しを添付書類として提出します。原本は手元に保管しておいてください。

そして、更新のときにも必要になります。有効期間が満了する日前3年以内の受講日のものが求められるため、更新のたびに受け直すことになります。

つまり、この証明書は繰り返し使うものです。紛失しないよう保管してください。

あわせて、派遣元責任者が交代した場合は、新しい責任者の受講証明書が必要になります。その人が講習を受けていなければ、受講してもらうことになります。

事業所を増やす場合派遣元責任者は事業所ごとに選任します。事業所を増やせば、その数だけ要件を満たす人が必要になり、それぞれが講習を受けている必要があります。人材派遣の会社設立で複数拠点を計画している場合、この点も見ておいてください。

あわせて、派遣元責任者の住民票の写しと履歴書も許可申請の添付書類になります。住民票の写しは、本籍地の記載があり、個人番号の記載がないものが求められます。窓口で請求するときに、この二つを指定してください。

精神の機能の障害により認知、判断又は意思疎通を適切に行うことができないおそれがある場合には、医師の診断書の提出も求められます。ただし、派遣元責任者と役員が同一である場合には提出を要しないとされている場面があります。取扱いは所管の都道府県労働局にご確認ください。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

誰が受けるのか|派遣元責任者になれる人

講習を受ける人の要件を表したイラスト
講習を受けても、経験の要件を満たしていなければなれません。

講習は誰が受けるのか。派遣元責任者になる人です。ただし、その人が他の要件も満たしている必要があります。

厚生労働省の許可基準が挙げる要件のうち、いちばん判断が難しいのが経験の要件です。次のいずれかに該当する必要があります。

  1. 成年に達した後、3年以上の雇用管理の経験を有する者
  2. 成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者
  3. 成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者
  4. 成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者

一つ目の「雇用管理の経験」については、許可基準が説明を置いています。人事又は労務の担当者(事業主、法人の場合はその役員、支店長、工場長その他事業所の長等、労働基準法第41条第2号の「監督若しくは管理の地位にある者」を含む)であったと評価できること、又は労働者派遣事業における派遣労働者若しくは登録者等の労務の担当者であったことをいう、とされています。

講習を受けても、この経験の要件を満たしていなければ派遣元責任者にはなれません。人材派遣の会社設立を考える段階で、まずここを確かめてください。

経験の要件は、あとから作れません資金は貯めれば用意できますが、3年以上の雇用管理の経験は貯められません。ご自身の職歴が要件に当たるかどうかは事実の評価の問題です。履歴書を持って所管の都道府県労働局に相談するのが確実です。

要件を満たさない場合は、要件を満たす人を採用するか、共同で会社設立をするか、あるいは経験を積んでから会社設立をするかという選択になります。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

職務代行者も、あらかじめ選任します

職務代行者の選任を表したイラスト
あらかじめ選任しておく必要があります。

派遣元責任者を決めたら、もうひとつ必要なものがあります。職務代行者です。

厚生労働省の許可基準は「派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者があらかじめ選任されていること」を求めています。

あらかじめ、という点が重要です。必要になってから決めるのではなく、許可申請の時点で決まっている必要があります。

一人で人材派遣の会社設立をしようとする場合、ここが実質的な壁になります。会社の登記は一人でできても、許可を取る段階でもう一人が必要になるからです。

職務代行者に求められる具体的な要件については、所管の都道府県労働局にご確認ください。派遣元責任者と同じ経験の要件や講習の受講が必要かどうかは、確かめておく価値があります。

名義だけを借りる形は認められません厚生労働省の許可基準は、派遣元責任者となり得る者の名義を借用して許可を得ようとするものでないこと、と明確に定めています。実際に職務を代行できる人を選任してください。

人材派遣の会社設立で職務代行者を確保する方法は、従業員を雇う、役員をもう一人置く、共同で会社設立をするといったものです。いずれも人件費や持分の分配が発生します。会社設立の資金計画に入れておいてください。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

苦情処理と、日帰りで往復できる地域

日帰りで往復できる地域という条件を表したイラスト
遠隔地への派遣を考えている場合は、確かめてください。

派遣元責任者の要件には、見落としやすいものがあります。派遣の範囲に関する条件です。

厚生労働省の許可基準は、派遣元責任者の要件のひとつとして、派遣元責任者が苦情処理等の場合に、日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること、を挙げています。

つまり、派遣元責任者が日帰りで行けない遠隔地に派遣を行うことは想定されていない、ということです。

人材派遣の会社設立で事業計画を作るとき、この条件との関係を確かめておいてください。遠隔地への派遣を考えている場合、事業所をその地域に置く必要が出てくることがあります。

そして事業所を増やせば、基準資産額と自己名義の現金・預金の要件が事業所数を乗じた額になります。事業所2か所なら基準資産額4,000万円・現金預金3,000万円です。

派遣元責任者の役割派遣元責任者は、派遣労働者の雇用管理を適正に行うために選任される人です。苦情の処理、就業条件の管理、教育訓練の実施、派遣先との連絡調整。これらが業務になります。日帰りで往復できる地域という条件は、この役割から来ていると考えられます。

会社設立の段階で事業計画を作るとき、どの地域に派遣するのかと、派遣元責任者をどこに置くのかを、あわせて考えてください。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

更新のときにも、受け直します

更新のときにも受け直すことを表したイラスト
更新では「有効期間が満了する日前3年以内」が基準です。

派遣元責任者講習は、更新のときにも必要です。

厚生労働省の資料は、更新申請の添付書類として「派遣元責任者講習受講証明書(許可の有効期間が満了する日前3年以内の受講日のものに限る)」の写しを挙げています。

新規の許可では「申請の受理の日前3年以内」でしたが、更新では「有効期間が満了する日前3年以内」です。基準となる日が違うので注意してください。

労働者派遣事業の許可の有効期間は、初めて許可を受けた場合が3年、一度更新を受けた場合が5年です。したがって、講習は数年に一度は受けることになります。

更新申請の期限は、有効期間が満了する日の3か月前です。申請日の超過は認められません。この期限から逆算して、講習の日程を押さえておいてください。

講習が受けられずに期限を過ぎる、という事態は避けたい講習は各地で開催されていますが、日程が埋まることがあります。更新申請の期限は超過が認められないため、講習の日程で間に合わなくなるという事態は避けたいところです。更新の6か月前には申し込んでおくことをおすすめします。

人材派遣の会社設立から3年後には、この更新が来ます。許可証を受け取った時点で、次の期限と講習の受講時期を書き留めておいてください。

出典労働者派遣事業関係業務取扱要領 第3 適正な運営の確保に関する措置に係る手続 (厚生労働省/2026年8月27日確認)

まとめ|派遣元責任者講習の段取り

派遣元責任者講習の段取りをまとめたイラスト
会社設立の設計の段階で、日程を確かめてください。

派遣元責任者講習について、まとめます。

  1. 許可の要件のひとつ。 講習を受けていなければ派遣元責任者になれません。
  2. 申請の前に受ける。 厚生労働省の資料も「申請に先立ち」としています。
  3. 新規は申請の受理の日前3年以内。 更新は有効期間が満了する日前3年以内です。
  4. 講習機関は告示で定められている。 厚生労働省のサイトで公開されています。
  5. 受講証明書は様式第21号。 更新のたびに使うため、保管してください。
  6. 経験の要件も満たす必要がある。 成年に達した後3年以上の雇用管理の経験など。
  7. 職務代行者もあらかじめ選任する。 実質的にもう一人が必要になります。
  8. 日程は早めに押さえる。 埋まることがあり、遅れれば許可申請も後ろにずれます。

人材派遣の会社設立では、この講習が必ず通る工程になります。会社設立の設計の段階で日程を確かめ、早めに申し込んでおいてください。

この記事の内容は2026年8月27日時点で、厚生労働省の公表資料により確認したものです。制度は改正されます。講習の日程と申し込みは各講習機関のサイトで、要件の判断は所管の都道府県労働局でご確認ください。当サイトは一般的な制度の解説であり、労働者派遣事業の許可申請の代行や個別の税務相談ではありません。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

日程は、早めに押さえてください

講習は各地で開催されていますが、日程が埋まることがあります。受講できる日が1か月先になれば、その分だけ許可申請が後ろにずれます。

人材派遣は、労働者派遣事業の許可が下りるまで営業ができません。講習の日程で1か月遅れれば、その分だけ無収入期間が延びます。

講習の日程と申し込みは各講習機関のサイトで、要件の判断は所管の都道府県労働局でご確認ください。当サイトは一般的な制度の解説であり、許可申請の代行や個別の税務相談ではありません。

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