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人材派遣 禁止業務 日雇い派遣

派遣できない業務があります。人材派遣の会社設立の前に確かめること

扱う業務を決めようとしている方へ

人材派遣の会社設立を考えていて、どの業務を扱うかを決めようとしている方に向けた記事です。

労働者派遣法には、労働者派遣事業を行ってはならない業務が定められています。許可を受けていても、これらの業務では派遣できません。

扱おうとしている業務がここに当たれば、事業計画そのものを組み直すことになります。会社設立の前に確かめてください。

労働者派遣事業を行ってはならない業務

適用除外業務が定められていることを表したイラスト
許可を受けていても、これらの業務では派遣できません。

労働者派遣法第4条第1項は、次のように定めています。

何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。

— 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第4条第1項

「何人も」と書かれています。許可を受けているかどうかにかかわらず、これらの業務では労働者派遣事業を行えないということです。

各号に掲げられているのは、次の三つです。

  1. 港湾運送業務(港湾労働法第2条第2号に規定する港湾運送の業務など)
  2. 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務)
  3. 警備業法第2条第1項各号に掲げる業務その他政令で定める業務

三つ目の「その他政令で定める業務」が、医療関係の業務です。労働者派遣法施行令第2条に定められています。

人材派遣の会社設立を考えるとき、扱おうとしている業務がこれらに当たらないかを最初に確かめてください。当たれば、その業務では事業が成り立ちません。

なお、同条第3項は、労働者派遣の役務の提供を受ける者、つまり派遣先についても、その指揮命令の下に派遣労働者をこれらの業務に従事させてはならないと定めています。禁じられているのは派遣元だけではないということです。

人材派遣の会社設立で営業先を考えるとき、この点も押さえておいてください。派遣先の側も、受け入れられない業務を知っています。

罰則があります労働者派遣法第59条第1号は、第4条第1項の規定に違反した者を1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処すると定めています。同条第2号は、許可を受けないで労働者派遣事業を行った者について同じ罰則を定めています。人材派遣の会社設立では、この二つを最初に確認してください。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

建設業務は、範囲が広く見えます

建設業務の範囲を表したイラスト
作業の準備に係る業務も含まれています。

三つのうち、人材派遣の会社設立で問題になりやすいのが建設業務です。

条文は、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務、と定めています。

注目していただきたいのは、最後の「これらの作業の準備の作業に係る業務」という部分です。作業そのものだけでなく、その準備も含まれています。

建設現場に人を出す事業を考えている場合、この規定に当たる可能性が高くなります。

ただし、建設現場での業務がすべて建設業務に当たるわけではありません。たとえば、現場事務所での事務の業務は、建設の作業そのものとは別です。

この境目は、実際の業務の内容によって判断されます。人材派遣の会社設立で建設に関わる業務を扱おうとしている場合、所管の都道府県労働局に確認してください。

また、工作物という言葉も広く読まれます。建物だけでなく、道路や橋、設備の据付けなども関わり得ます。人材派遣の会社設立で製造業への派遣を考えている場合でも、設備の据付けや解体に関わる作業が入っていないかを確かめてください。

建設業務労働者就業機会確保事業という別の制度があります建設労働者の雇用の改善等に関する法律には、建設業務労働者就業機会確保事業という制度が定められています。これは労働者派遣事業とは別の制度で、要件も手続きも異なります。建設に関わる事業をお考えの場合は、この制度についても厚生労働省の案内をご確認ください。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

警備業務も、法律で定められた範囲があります

警備業務が対象であることを表したイラスト
警備業法に掲げられた業務が対象です。

警備業務についても、労働者派遣事業を行うことはできません。

条文が指しているのは、警備業法第2条第1項各号に掲げる業務です。

警備業法は、施設における事故の発生を警戒し防止する業務、人若しくは車両の雑踏する場所における負傷等の事故の発生を警戒し防止する業務、運搬中の現金等に係る盗難等の事故の発生を警戒し防止する業務、人の身体に対する危害の発生を警戒し防止する業務を掲げています。

これらの業務に人を派遣することはできません。

人材派遣の会社設立で施設の管理に関わる業務を扱おうとしている場合、その内容が警備業務に当たらないかを確認してください。

受付や案内の業務と、警戒し防止する業務とは別のものです。ただし、実態がどちらに当たるかは業務の内容で判断されます。

そして、警備業を営むには警備業法に基づく認定が必要です。人材派遣の会社設立とは、まったく別の手続きになります。

人材派遣の会社設立でこの分野に関わろうとする場合、労働者派遣事業の許可では対応できないという前提から考えてください。

名称ではなく、実態で判断されます契約書にどう書くかではなく、実際に何をしているかで判断されます。人材派遣の会社設立では、この点を理解しておいてください。名称を変えれば規制を免れるということはありません。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

医療関係の業務は、例外の定めがあります

医療関係の業務が政令で定められていることを表したイラスト
限定と除外の定めが、細かく置かれています。

労働者派遣法第4条第1項第3号の「政令で定める業務」は、労働者派遣法施行令第2条に定められています。

掲げられているのは、次のような業務です。

  • 医師法第17条に規定する医業
  • 歯科医師法第17条に規定する歯科医業
  • 薬剤師法第19条に規定する調剤の業務
  • 保健師助産師看護師法に規定する業務
  • 栄養士法に規定する業務のうち傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導に係るもの
  • 歯科衛生士法に規定する業務
  • 診療放射線技師法に規定する業務
  • 歯科技工士法に規定する業務

ただし、これらはいずれも、病院等、助産所、介護老人保健施設、介護医療院、居宅などにおいて行われるものに限る、といった限定が付いています。

そして、施行令第2条の本文には除外の定めがあります。紹介予定派遣をする場合、派遣先が労働者派遣法第40条の2第1項第4号又は第5号に該当する場合、就業の場所がへき地にある場合などです。

なお、施行令第4条第1項第19号は、日雇い派遣の例外となる業務のなかで、保健師助産師看護師法第5条に規定する業務のうち病院等で行われるものを除いています。医療関係の業務については、複数の規定が重なって働くということです。

人材派遣の会社設立で介護や医療の分野を考えている場合、介護の業務と医療の業務は別に扱われる点にも注意してください。介護保険法に基づく訪問介護などと、保健師助産師看護師法に規定する業務とは、規定の仕方が異なります。

例外を広く読まないでください除外の定めがあるということは、条件を満たす場合に限って認められるということです。条件を満たさなければ、やはり派遣できません。人材派遣の会社設立で医療関係の業務を扱おうとしている場合、どの条件に当たるのかを所管の都道府県労働局に確認してください。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

会社設立の前に、扱う業務を整理する

会社設立の前に扱う業務を整理することを表したイラスト
定款の事業目的にも関わります。

扱う業務が決まらなければ、事業計画は立ちません。

会社設立の前に確かめることのチェックリスト

四つ目の定款の事業目的に注目してください。労働者派遣事業の許可を受けるには、定款の事業目的に労働者派遣事業を行う旨が記載されていることが求められます。

会社設立のときに定款を作りますが、そこに書き漏らせば、あとで定款変更の手続きが必要になります。株式会社であれば株主総会の特別決議、変更登記の登録免許税もかかります。

人材派遣の会社設立では、扱う業務を整理してから定款を作ってください。順番が逆になると、やり直しになります。

そして、扱えない業務が分かれば、事業計画も変わります。収支計画の前提が変わるということです。

そして、扱う業務が決まれば、必要な人員も見えてきます。専門的な業務を扱うなら、その分野の経験がある営業担当が要ります。人材派遣の会社設立では、この人件費も固定費として置いてください。

会社設立の前に決めるほうが安い定款を作り直すより、最初から正しく書くほうが安く済みます。人材派遣の会社設立では、業務の整理を登記の前に終わらせてください。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

当たる場合、どうするか

別の制度を検討することを表したイラスト
制度が違えば、要件も手続きも違います。

扱おうとしている業務が適用除外業務に当たる場合、どうするか。

労働者派遣事業としては行えません。しかし、別の制度が使える場合もあります。

労働者派遣事業と有料職業紹介事業を比べた図

有料職業紹介事業は、労働者派遣事業とは別の制度です。求職者と求人者のあいだの雇用関係の成立をあっせんするもので、指揮命令の関係が異なります。

ただし、こちらも許可が必要で、要件も手続きも異なります。人材派遣の会社設立の計画をそのまま移せるわけではありません。

そして、業務委託や請負という形もあります。しかし、実態が労働者派遣に当たれば、名称にかかわらず労働者派遣として扱われます。この点は別の記事で詳しく説明します。

名称を変えて規制を免れることはできません業務委託と書いても、派遣先が指揮命令をしていれば労働者派遣です。人材派遣の会社設立では、実態に合った制度を選んでください。形だけ整えるという考え方は、あとで大きな問題になります。

出典人材派遣・職業紹介を行う皆さまへ (厚生労働省/2026年8月27日確認)

許可の申請でも、確認されます

許可申請でも確認されることを表したイラスト
事業計画が固まらなければ、申請できません。

労働者派遣事業の許可を申請するとき、事業計画書を提出します。

そこには、事業所ごとの派遣労働者の数や、派遣先の見込みなどを記載することになります。

扱う業務が適用除外業務に当たれば、当然ながら許可の対象になりません。

そして、許可申請の審査では、事業所の実地の確認も行われます。厚生労働省の資料は、許可の審査に当たり事業所の実地の確認を行う旨を示しています。

人材派遣の会社設立では、事業計画を整理してから申請してください。扱う業務が固まっていなければ、事業計画書も書けません。

なお、許可申請の時期の目安は、事業開始予定時期のおおむね2〜3か月前までとされています。会社設立の登記が終わってからこの期間がかかるということです。

許可が下りるまで、派遣の売上はありません労働者派遣事業の許可を受けなければ、労働者派遣を行うことはできません。会社設立の登記が終わってから許可が下りるまで、派遣の売上はゼロです。その間も固定費は出ていきます。人材派遣の会社設立では、この期間の運転資金を用意してください。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

違反した場合の結果

違反した場合の結果を表したイラスト
罰則も行政処分も、事業を止めます。

適用除外業務について労働者派遣事業を行った場合、どうなるか。

労働者派遣法第59条第1号は、第4条第1項の規定に違反した者を1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処すると定めています。

そして、許可を受けている事業主であれば、許可の取消しの対象にもなり得ます。

労働者派遣法は、厚生労働大臣が派遣元事業主に対して事業の改善を命ずることができる旨、許可を取り消すことができる旨などを定めています。

許可が取り消されれば、労働者派遣事業を続けることはできません。派遣スタッフの雇用も、派遣先との契約も止まります。

そして、欠格事由の定めがあります。許可を取り消された者は、一定の期間、新たに許可を受けることができません。

人材派遣の会社設立では、この結果を理解した上で事業を組み立ててください。境目が分からなければ、労働局に確認する。それが最も確実な方法です。

そして、取消しは会社だけの問題では終わりません。欠格事由には、法人の役員であった者に関する定めも置かれています。

分からないまま進めないでください扱おうとしている業務が適用除外業務に当たるかどうか、判断がつかないことはあります。そのときは、進める前に所管の都道府県労働局に確認してください。人材派遣の会社設立では、この確認を面倒がらないことが大切です。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

まとめ|派遣できない業務

派遣できない業務をまとめたイラスト
会社設立の前に、扱う業務を確かめてください。

労働者派遣事業を行ってはならない業務について、まとめます。

  1. 法第4条第1項に定めがある。 何人も、これらの業務について労働者派遣事業を行ってはなりません。
  2. 港湾運送業務。 港湾労働法などに定める業務です。
  3. 建設業務。 作業そのものだけでなく、作業の準備に係る業務も含まれます。
  4. 警備業務。 警備業法第2条第1項各号に掲げる業務です。
  5. 政令で定める医療関係の業務。 施行令第2条に定めがあり、限定と除外が細かく置かれています。
  6. 罰則がある。 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
  7. 会社設立の前に整理する。 定款の事業目的にも、収支計画にも関わります。

人材派遣の会社設立を進める前に、扱おうとしている業務がここに当たらないかを確かめてください。当たれば、事業計画そのものを組み直すことになります。

そして、境目にある業務は少なくありません。判断がつかなければ、所管の都道府県労働局に確認してください。

この記事の内容は2026年8月27日時点で、e-Gov法令検索の条文と厚生労働省の公表資料により確認したものです。法令は改正されます。個別の業務が適用除外業務に当たるかどうかの判断は都道府県労働局が行います。申請書類の準備は社会保険労務士へ、税務の判断は税理士へご相談ください。

出典労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索) (e-Gov法令検索/2026年8月27日確認)

当たるかどうかは、労働局に確かめてください

この記事は、法令の条文と厚生労働省の資料にもとづく一般的な説明です。個別の業務が適用除外業務に当たるかどうかを判断するものではありません。

境目にある業務は少なくありません。自社が扱おうとしている業務が当たるかどうかは、所管の都道府県労働局にご確認ください。

許可の可否は都道府県労働局が判断します。申請書類の準備は社会保険労務士へ、税務の判断は税理士へご相談ください。当サイトは一般的な制度の解説であり、許可申請の代行は行いません。

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