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人材派遣 会社設立 期間

人材派遣の会社設立から営業開始まで、どれくらいの期間がかかるのか

いつから営業できるのかを知りたい方へ

人材派遣の会社設立を考えていて、実際に営業を始められるのがいつになるのかを知りたい方に向けた記事です。

答えは、順調に進んでも会社設立の準備開始から3〜4か月、最初の入金までなら5〜6か月というのが現実的な見方です。

その内訳と、短縮できるところ・できないところを分けて書きます。期間は資金計画に直結するので、甘く見積もらないでください。

全体の期間を、先に示します

会社設立から営業開始までの全体の期間を表したイラスト
許可が下りた日が、入金の日ではありません。

人材派遣の会社設立から営業開始までにかかる期間を、先にまとめて示します。順調に進んだ場合の目安です。

人材派遣の会社設立から最初の入金までの期間を示した時系列の図

この図で押さえておきたいのは、いちばん下の行です。許可が下りた日が入金の日ではありません。営業を始めてから、派遣先との契約、派遣スタッフの就業、月末の締め、請求という順を踏んで、はじめて現金が入ってきます。

会社設立の資金計画では、この5〜6か月分の固定費を見込んでおく必要があります。基準資産額2,000万円という許可の資産要件とは、別に必要なお金です。

短縮できるのは前半だけですこの流れのうち、自分の努力で短縮できるのは最初の三つです。許可の審査期間は行政の側の話なので動かせません。前半を丁寧かつ早く進めることが、全体の期間を縮める唯一の方法になります。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

第1段階|設計と準備に、どれくらいかかるか

会社設立の設計と準備を表したイラスト
読みにくいのは資金の準備。ここは急いでも縮みません。

会社設立の設計と準備の段階です。ここで決めるのは、資本金の額、定款の事業目的、事業所、派遣元責任者の四つです。

四つのうち、期間が読みにくいのが資本金です。労働者派遣事業の許可の資産要件から、事業所1か所でも基準資産額2,000万円・自己名義の現金預金1,500万円が必要になります。この資金をどう用意するかによって、この段階の長さはまったく変わります。

すでに資金がある場合
数週間で設計を固められます。事業所の候補を見て、講習に申し込めば次に進めます
これから貯める場合
何か月、何年という単位になります。会社設立を急ぐより、要件を満たすほうが先です
既存法人で参入する場合
直近の決算書で三つの要件を計算します。満たしていれば事業目的の追加だけで済みます
出資を募る場合
出資者との調整に時間がかかります。役員になるなら許可申請の書類も増えます

この段階で必ずやっておきたいのが、派遣元責任者講習の申し込みです。講習は許可の申請の受理の日前3年以内の受講に限られますが、日程が埋まることがあります。早めに押さえておいてください。

あわせて、事業所の候補を実際に見に行っておくことをおすすめします。事業に使用し得る面積がおおむね20平方メートル以上あり、派遣スタッフと面談できる、個人的な秘密を保持できる場所が要るからです。図面だけでは判断できません。

労働局への事前相談は、この段階で所管の都道府県労働局の需給調整事業担当部門は、申請前の相談を受け付けています。会社設立の登記より前に、事業所の間取り図と資産の状況を持って相談に行けます。ここで確かめておけば、あとの手戻りが減ります。

この段階では、まだ会社は存在していません。だからこそ、やり直しが安く済みます。資本金の額を変えるのも、事業所の候補を変えるのも、事業目的の文言を練り直すのも、この段階なら費用はかかりません。

逆に、会社設立の登記を済ませてからこれらを変えようとすると、変更登記の登録免許税と時間がかかります。人材派遣の会社設立で「急がば回れ」と言われるのは、この構造のためです。設計に1か月かけても、手戻りが1か月分減れば差し引きゼロです。手戻りが2か月分減れば得になります。

出典許可基準(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

第2段階|会社設立の登記に、どれくらいかかるか

会社設立の登記にかかる期間を表したイラスト
待ち時間を準備に充てられるかどうかが分かれ目です。

設計が固まったら、会社設立の登記です。この段階は比較的読みやすく、1〜2週間程度です。

株式会社の場合、定款の作成と公証人による認証、資本金の払い込み、登記申請という順になります。合同会社は定款の認証が不要なので、その分だけ短くなります。

会社設立の登記にかかる期間の目安(2026年8月27日時点)
作業 期間の目安 備考
定款の作成 数日 事業目的の文言を先に確かめておけば早く進みます
定款の認証(株式会社) 1日 事前に公証役場と内容を調整しておくのが通例です
資本金の払い込み 1日 発起人の口座に払い込み、通帳の写しなどで証明します
登記の申請から完了まで 1〜2週間 法務局の混み具合によります
登記事項証明書・印鑑証明書の取得 即日 完了後に取れます

期間は法務局や公証役場の状況によって変わります。実際の日程は司法書士にご確認ください。

この段階で大事なのは、待ち時間を無駄にしないことです。登記の申請から完了までの1〜2週間は、書類が動くのを待つだけの時間になります。ここで許可申請の準備を並行して進めれば、全体の期間が縮みます。

人材派遣の会社設立では、この並行作業ができるかどうかが期間を左右します。登記が終わってから許可申請の準備を始めると、単純に1〜2週間分だけ後ろにずれます。

あわせて、登記が完了したら社会保険の手続きも始まります。法人は原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所になるため、年金事務所への新規適用の届出が必要です。税務署・都道府県税事務所・市区町村への法人設立届出書、青色申告の承認申請書も、この時期の作業になります。

これらは許可申請とは別の手続きですが、会社設立の直後に一度に来ます。誰がどれを担当するのかを先に決めておくと、抜けが減ります。

出典商業・法人登記の申請手続 (法務局/2026年8月27日確認)

第3段階|許可申請の準備に、どれくらいかかるか

許可申請の準備にかかる期間を表したイラスト
自作の書類と講習の日程が、この段階の長さを決めます。

許可申請の準備です。役所で取る書類は数日で片づきますが、自分で中身を作る書類には時間がかかります。

時間がかかるのは、就業規則・個人情報適正管理規程・教育訓練計画、そして派遣先の提供のための事務手引等です。いずれも労働者派遣事業の許可の基準が求める内容を満たす必要があり、他業種の書式をそのまま使えません。

すぐ終わる書類と時間がかかる書類を比べた図

社会保険労務士に依頼する場合も、打ち合わせと作成に時間がかかります。会社設立の登記が終わってから相談を始めるより、設計の段階から相談しておくほうが結果として早く進みます。

派遣元責任者講習は、この段階までに受け終えておく必要があります。厚生労働省の資料も「申請に先立ち、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講しておく必要があります」としています。

講習の日程で数週間ずれることがあります講習は各地で開催されていますが、日程が埋まることがあります。受講できる日が1か月先になれば、その分だけ許可申請が後ろにずれます。会社設立の設計の段階で申し込んでおくのが安全です。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

第4段階|審査に、どれくらいかかるか

許可の審査期間を表したイラスト
審査期間は動かせません。動かせるのは申請までの準備です。

許可申請を提出してから許可証が交付されるまでの期間です。ここは行政の側の話なので、自分では短縮できません。

厚生労働省の資料は、許可申請を事業開始予定時期のおおむね2〜3か月前までに行う必要があるとしています。つまり、申請から許可までに2〜3か月かかるという前提になっています。

この期間に何が行われるかというと、書類の審査と、事業所の実地確認です。事業に使用し得る面積、位置や設備、面談できる場所の有無などが実際に見られます。

そのうえで、労働政策審議会への諮問を経て許可が決定されます。許可証を交付する際には、労働者派遣事業制度の適正な運営、派遣事業と請負により行われる事業との区分などについての講習が実施されることとされています。

申請の受付日にも周期があります許可の日は月の初日とされているのが通例で、申請の受付から許可までの流れには一定の周期があります。申請が数日遅れたために許可が1か月後ろにずれる、ということも起こり得ます。具体的な日程は所管の都道府県労働局にご確認ください。

この段階で自分にできるのは、追加資料の求めや指摘に速やかに対応することです。書類に不備があれば、そのやり取りの分だけ期間が延びます。会社設立の前に要件を確かめておく意味は、ここにもあります。

なお、この2〜3か月のあいだも、人材派遣の営業はできません。事業所の家賃、役員報酬、通信費は出ていきます。会社設立の資金計画では、この期間をいちばん長い無収入期間として見込んでおいてください。

そして、この期間に事業所を解約するわけにはいきません。事業所は許可の要件であり、実地確認の対象でもあるからです。家賃を止めることはできない、と考えておいてください。

出典労働者派遣事業関係業務取扱要領 第3 適正な運営の確保に関する措置に係る手続 (厚生労働省/2026年8月27日確認)

第5段階|営業開始から入金まで

営業開始から入金までの期間を表したイラスト
ここから、派遣スタッフの給与という新しい支出が始まります。

許可証が交付されて、ようやく人材派遣の営業ができるようになります。ただし、この日に現金が入るわけではありません。

営業開始から最初の入金までの流れを並べます。

  1. 派遣先を開拓し、労働者派遣契約を結ぶ
  2. 派遣スタッフを採用し、雇用契約を結ぶ
  3. 派遣スタッフが派遣先で働く
  4. 月末で締めて、派遣スタッフに給与を支払う
  5. 派遣先に請求書を送る
  6. 翌月末または翌々月末に、派遣料金が入金される

4番目と6番目のあいだに、1〜2か月の開きがあります。この間、派遣スタッフの給与と社会保険料の事業主負担は、会社が立て替えている形になります。

しかも、派遣先の開拓と派遣スタッフの採用にも時間がかかります。許可が下りた翌日から派遣スタッフが働き始める、ということはまずありません。

会社設立の資金計画で、いちばん見落とされる部分です許可が下りるまでの期間は多くの方が意識しますが、そこから入金までの期間は見落とされがちです。実際には、この期間にも家賃・役員報酬に加えて、派遣スタッフの給与という新しい支出が始まります。会社設立から数えて5〜6か月分の運転資金を用意しておいてください。

そして、この構造は事業が続くかぎり変わりません。派遣スタッフを増やせば、その人数分の給与を先に払うことになります。売上が伸びる局面ほど現金が減る、という状態が起こります。会社設立の直後だけの話ではないということです。

採用にも時間がかかります。求人を出し、応募を受け、面談をし、就業条件を決めて、派遣先に紹介する。この過程に数週間かかることも珍しくありません。許可が下りてから採用を始めるのでは、入金までの期間がさらに延びます。

採用の準備そのものは、許可が下りる前からできます。求人媒体の選定、募集の条件の整理、面談の場所の確保。会社設立の準備期間に、こうした下ごしらえを済ませておくと、許可後の立ち上がりが早くなります。

出典一般社団法人 日本人材派遣協会 (日本人材派遣協会/2026年8月27日確認)

期間を短くするために、できること

期間を短くする方法を表したイラスト
お金をかけずに縮められるのは、前半だけです。

人材派遣の会社設立から営業開始までの期間を短くする方法を整理します。審査期間は動かせないので、それ以外の部分が対象になります。

人材派遣の会社設立の期間を短くするためのチェックリスト

最後の項目について補足します。労働者派遣事業の許可が下りるまで、人材派遣の営業はできません。ただし、どの業種のどの企業を対象にするか、どういう職種の派遣スタッフを集めるかといった下調べは、許可を待たずにできます。

許可が下りた日から動き出せるように準備しておけば、入金までの期間も縮まります。会社設立の準備期間は、この下調べに充てられる時間でもあります。

急ぐより、要件を満たすことが先です期間を短くする話をしてきましたが、要件を満たさないまま急いでも申請は通りません。資産要件を満たせないうちに会社設立をすれば、固定費だけが出ていく期間が長くなります。順番を守ることが、結局いちばん早い方法です。

出典都道府県労働局(需給調整事業担当)所在地一覧 (厚生労働省/2026年8月27日確認)

まとめ|会社設立から営業開始までの期間

会社設立から営業開始までの期間をまとめた表のイラスト
この期間が、そのまま無収入期間になります。

人材派遣の会社設立から営業開始までの期間について、まとめます。

人材派遣の会社設立から最初の入金までの期間(2026年8月27日時点)
段階 期間の目安 短縮できるか
設計と準備 0〜1か月(資金の準備状況による) 資金が用意できていれば短縮できます
会社設立の登記 1〜2週間 ほぼ固定です。並行作業で全体は縮められます
許可申請の準備 2〜4週間 自作の書類と講習の日程しだいです
審査と実地確認 2〜3か月 短縮できません
営業開始から入金まで 1〜2か月 下調べを先に済ませておけば縮まります
合計 5〜6か月

目安です。資金の準備状況、書類の完成度、事業所の状況、労働局の混み具合によって前後します。

この期間がそのまま無収入期間になります。会社設立の資金計画では、基準資産額2,000万円という資産要件とは別に、この期間の固定費を用意しておいてください。

短縮できるのは前半だけです。所管の都道府県労働局への事前相談を活用し、自作の書類と講習に早く着手することが、いちばん確実な短縮の方法になります。

なお、この期間の話には続きがあります。労働者派遣事業の許可の有効期間は、初めて許可を受けた場合が3年です。会社設立から3年後には、更新の手続きが来ます。更新の申請は有効期間が満了する日の3か月前までに行う必要があり、申請日の超過は認められません。

つまり、会社設立から2年9か月後には更新の準備を始めていることになります。そのときには直近の決算書で資産要件を確かめられます。会社設立の期間の話は、営業開始で終わりではないということです。

この記事の内容は2026年8月27日時点で、厚生労働省の公表資料により確認したものです。制度は改正されます。許可の可否と審査の日程は所管の都道府県労働局へ、申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士へ、登記は司法書士へ、資金計画は税理士へご相談ください。当サイトは一般的な制度の解説であり、労働者派遣事業の許可申請の代行や個別の税務相談ではありません。

出典申請・届出等の手続(労働者派遣事業を適正に実施するために) (厚生労働省/2026年8月27日確認)

期間の見積もりは、資金の見積もりです

人材派遣は、労働者派遣事業の許可が下りるまで営業ができません。つまり、期間の見積もりがそのまま無収入期間の見積もりになります。

会社設立の準備を始めてから最初の入金まで5〜6か月かかるなら、その間の家賃・役員報酬・通信費を用意しておく必要があります。これは資産要件とは別のお金です。

許可の審査期間は行政の側の話なので短縮できません。短縮できるのは、自分で準備する部分だけです。所管の都道府県労働局への事前相談を活用してください。

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